2009/11/26

Calling all cars

Calling all cars November 19th 2009
自動車のデータシステムにリモートからアクセス出来るようになる事で、様々な可能性が広がる

Science and technologyセクションから自動車に関する話題。最近の自動車は、ソフトウエアの固まりであると聞いた事があるが、自動車のシステムにリモートからアクセスする事で、色々な可能性が広がる事をこの記事は示唆している。

以下主なポイント

・これはカリフォルニアで起きた実際の話である。ある朝、自動車強盗がシボレーのTahoeを強奪したが、犯人は遠くには逃げられなかった。この車はテレメトリーシステムが搭載されており、連絡を受けたオペレータはすぐに自動車の場所を把握し、「エンジン停止後、エンジンの再始動を不可にする」という指令を送った。その後、警察が自動車を目視した後、「エンジン停止」という二つ目の指令を送った。これにより犯人は逮捕された。

・この"Slow down"機能はGMの”OnStar”サービスであり、実際に自動車強盗に対して発動したのは初めてである。OnStarは1996年にスタートしており、最初はロードサイドサービス中心だったが、徐々に機能が洗練されて行き、現在では北アメリカで600万人のユーザがいるサービスである。

・iSuppli社の予想では、2016年時点において新車の1/4がこのようなリモートモニタ&コントロールシステムが搭載されるとしている。

・これにより、自動車盗難が不可能になるだけでなく、何か事故が起きた際の緊急連絡も自動車自身で行えるようになる。

・ただ、最も重要な機能としては、自動車自身による"自己診断機能"およびそれに基づいたサービスとなろう。

・OnStarのユーザは、定期的に自分の車の状態をメールで受け取る事が出来る。これにより故障を未然に防ぐ事が出来、またこの記録を持つ事で、リセール時に自らの車が良好状態である事を示す事が出来るようになる。

・さらには車自身が自ら補修部品の発注を行い、修理工場についた時点で必要な部品が全て整っているという事も考えられる。このようなシステムは航空業界ですでに実用化されている。車の場合、故障しそうな部分を自己診断し、緊急を要する場合は、近くの修理工場の空き状態を確認した上で利用可能な修理工場へドライバーをナビゲートする事になるだろう。

・日産LEAFのような電気自動車にはこのようなテレメトリーシステムは非常に有用である。日産では、出荷するLEAFのすべてのテレメトリーデータをグローバルデータセンタに送る事を計画している。

・リモートコントロールを用いる事で、ドライバーが車に乗車する前に室内を暖めたり冷やしたりする事が出来る。このような機能は、電気自動車においてはプラグに接続されている駐車時において特に有用である。

・すでにiPhone用のキットを接続する事で、エンジンマネージメントシステムのデータを読み取る事が出来る製品がある。今後、リモートテレメトリーシステムが普及する事で、同じようなアプリケーションが多く開発される事になるだろう。

・車の車内をモニターするシステムを使う事で、誰が社内にいるか外から確認出来るようにもなる。疑り深い配偶者には便利なシステムだろう。

以上。

最後のオチはいかにもこの雑誌が好きそうな言い回しである。最初この話を読んだ時はナイト2000の世界がすぐそこまで来ているような気分になった。自動車自身が自らの状態を診断して部品発注まで行う事が普及するには社会側のインフラ整備が必要になるだろうけれど、そんな将来を想像するのはちょっと愉しい。ここ最近、自動車関連のネタは電気自動車に関連する話が多かったけれど、このような周辺系も色々と面白いネタがあるという事を気づかせてくれた記事である。

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