2010/01/12

The danger of the bounce

The danger of the bounce Jan 7th 2010

金融危機後、先進国、新興国共に、低金利と政府支出拡大による刺激策が行われているが、これが新たなバブルを生むのではないか?という議論を行っている。ざっくりとまとめると以下の通り。

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金融危機後、先進国、新興国の政府は金利を下げて投資家にリスクマネーを提供するように誘導している。しかしこれが新たなバブルを生み出すのではないか?

先進国の株式市場、住宅市場を分析すると、株については高水準のピークに比べては安いが、歴史的な長期水準を比較すると高い価格となっている。また、家賃利回りからみた住宅価格も、アメリカではフェアバリューだが、他の国では30-50%割高という指摘もある。さらに、借入に関わる信用拡大のプロセスは現在見られず、この事から熱狂を伴うバブルの状況ではないと判断する。

また、新興国では将来の成長期待から大きく買われている。市場拡大、低金利、通貨安を伴えば、新興国でバブルが生まれると想像するのは容易かもしれないとしている。ほかにも金相場はバブルではないかという分析もある。政府が通貨安を誘導する事で、相対的に金が上昇している。但し、金相場は底値から4倍近く、金利を生み出す資産でもないので価値評価は難しい。

一方、世界経済は景気刺激策に過度に依存しすぎているという指摘もある。自動車、住宅などの売れ行きは補助金に依存している。最終的に、景気刺激策が続くかどうかは、政府が低金利による国債発行を何処まで行えるかどうか?という事に依存しているようだ。また、量的緩和策によって中央銀行のバランスシートは急速に拡大している。市場はいつまでも政府の財政赤字に対して寛容ではないが、政府の対応はなかなか進まないものである。

現在の政府による並外れた経済刺激策は、国債の発行金利が低いままである事に依存しているが、成長予測が低かったり長期インフレ率が低いと期待されるならば、市場は国債を買う事は正しい。一方、この予測の元では過去の水準よりも高い値を付けている株や不動産は買うべきではない。おそらく、この矛盾は近いうちに解消されるであろうが、それは新たな混乱の引き金になるかもしれない。
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政府の刺激策は国債を低金利で発行出来るかどうかに依存している、という点はキャッシュの流れをルックスルーするとその通りではあるが、有意義な視点だと思った。また、最後の国債市場、株式市場、住宅市場における矛盾については、どの市場にて矛盾が解消されるかは分からないけれど、こういう矛盾を市場が抱えているという事は覚えておいた方が良さそうだ。

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